「今日こそ集中する」と決めて机に向かったのに、気づけばSNSやショート動画を開いている。スクリーンタイムで上限を設けても、自分で「あと15分」を押してしまう。受験勉強とスマホをめぐっては、多くの受験生が同じ場所でつまずきます。

先に一つだけお伝えしておくと、スマホを完全に手放す必要はありません。効きやすいのは「我慢の回数を増やす」ことではなく、スマホに触れる回数そのものを減らす仕組みづくりのほうです。この記事では、自分の使い方のどこに問題があるかを見分け、対策を弱い順に試し、どの方法が誰に向くのかを比べられるように整理しました。「完全にやめるべきか」という疑問、保護者が関わるときの注意点、そして「遠ざけても勉強が進まない」ときにどこを見直すかまで扱います。

この記事の結論
  • スマホをやめられないのは意志が弱いからではなく、通知・習慣・手に取りやすさ・勉強への不安などが重なって起こる。
  • まず3〜7日、使い方を記録する。見るべきは総使用時間だけでなく、勉強中の起動回数・引き金・使ったあとに勉強へ戻れたか。
  • 対策は、通知の停止 → 物理的な距離 → スマホの設定 → 必要なら第三者による管理、と弱い順に強める。最初から全面禁止が最善とは限らない。
  • 遠ざけても勉強が進まないなら、学習計画・教材の難しさ・睡眠・不安など、スマホ以外の原因を見直す

受験勉強中にスマホをやめられないのは、意志が弱いからではない

勉強中に無意識でスマホを触ってしまうのは、毎回「娯楽を選ぼう」と決めているからではありません。行動科学では、同じ状況で行動を繰り返すと、その状況(場所・時間帯・直前の行動・気分)そのものが行動の引き金になると説明されます。

難しい問題で手が止まったとき、休憩に入った瞬間、机の上でスマホが目に入ったとき。こうした場面とスマホ確認が結びつくと、はっきり「見よう」と意識しなくても手が伸びるようになります。

引き金は外からもやってきます。大学生を対象にした実験では、通知に返信しなくても、通知を受け取るだけで注意を要する課題の成績が下がりました。「通知が来ても、開かなければ大丈夫」とは限らない、ということです。

さらにスマホは、楽しい情報を得るためだけでなく、不快な気分を手早く下げる道具にもなります。問題が解けない焦り、勉強の退屈、模試や志望校への不安。こうした感情から一瞬で離れられるため、スマホを開く行動が繰り返し身についていきます。SNSが特別に面白いから、というより、勉強で生じた嫌な感情から逃げられるから、という側面が大きいのです。

ここは、指導していても本人の努力不足で片づけてほしくないところです。仕組みを知らないまま「自分は意志が弱いだけだ」と思い込んでしまうと、対策を考えること自体が後回しになりやすいからです。

だとすると、気合いで我慢するのは、いちばん消耗する方法です。机の上に使えるスマホがある限り、「今見るか」「通知だけ確認するか」「休憩まで待つか」という判断を、勉強中に何十回も迫られます。一度は勝てても、回数が増えれば失敗する場面は必ず出てきます。効くのは、 我慢の回数と、誘惑に触れる回数そのものを減らすこと 。つまり、意志ではなく、環境と手順を設計することです。

この記事は、医学部・難関大受験の学習支援を行う SSS Education が作成しています。東大理三生を中心とした講師が、学習計画づくりから進捗の管理までを伴走するなかで、繰り返し向き合ってきたのが「集中できる環境をどうつくるか」という課題です。精神論に頼らず、スマホと距離を取り直すための考え方をまとめました。

最初に確認するのは「何時間使ったか」だけではない

いきなり「1日1時間にする」と決めるより、まず3〜7日ほど、いつもどおり使いながら記録することをおすすめします。制限は、自分の弱点が分かってからのほうが的確に打てるからです。

記録するのは、総使用時間だけではありません。むしろ大事なのは次の項目です。

  • スマホを持ち上げた回数(起動回数)
  • 受け取った通知の数
  • よく使う時間帯(起床直後・勉強前・休憩・就寝前)
  • 勉強中に何回中断したか
  • スマホを開く直前にやっていた勉強
  • 使ったあと、勉強に戻れたか
  • 就寝前30分の使用

iPhoneの「スクリーンタイム」やAndroidの「Digital Wellbeing」を使えば、アプリごとの使用時間に加えて、持ち上げた回数や通知の多いアプリを確認できます。まずはこの1週間、設定は変えずにデータだけを取ります。機能の名称や場所は、OSのバージョンや機種によって異なります。

同じ「使用時間3時間」でも、夕食後にまとめて使っている人と、勉強中に50回確認している人とでは、必要な対策はまったく違います。前者なら使う時間帯の問題、後者なら勉強中の中断の問題です。総時間よりも、 起動回数と、使ったあとに勉強へ戻れたか を見てください。

スマホを開く「引き金」を見つける

記録がたまったら、スマホを開いた場面を分類してみます。多くは、次のいずれかが引き金になっています。

  • 通知(音・バイブ・バッジ)に反応した
  • 手持ち無沙汰・退屈
  • 問題が難しくなった瞬間
  • 模試や成績への不安
  • 就寝前の習慣
  • とくに理由のない、無意識の確認

引き金が分かると、次に説明する対策のどれを選べばよいかが見えてきます。通知が引き金なら通知の停止、難問が引き金なら教材や質問環境の見直し、というように、原因ごとに打ち手が変わるからです。

軽度・中程度・強度のどれに近いか

次の表は、あくまで対策を選ぶための目安であり、診断ではありません。自分がどこに近いかは、思っているより自分では見立てにくいものなので、厳密に決めつけず、近いものを選ぶくらいの気持ちで見てください。

程度 いまの状態 まず試したい対策
軽度 通知や癖で時々開く。制限すれば止められる。睡眠や生活に大きな支障はない 通知の停止、ホーム画面の整理、ログアウト、集中モード
中程度 勉強の開始が遅れる。予定より長く使う。時々、自分で制限を解除する アプリの削除、時間帯の限定、別室保管、自習室、端末の分離
強度 睡眠・欠席・家族関係・気分などに支障が出ている 本人が合意した第三者管理、学校・塾との連携、心理・医療面の相談も検討

対策は、弱いものから段階的に強める

「厳しい方法ほど良い」わけではありません。生活の支障や反発を最小限にするため、弱い対策から始め、自分が突破してしまった地点で一段だけ強めます

段階1:通知・バッジ・ホーム画面を整える

まず、外からやってくる引き金を減らします。

  • SNS・動画・ゲーム・通販・ニュースの通知を切る
  • 家族・学校・塾など、必要な連絡だけを例外として残す
  • アイコンの赤いバッジを消し、ロック画面に通知内容を表示しない
  • SNS・動画アプリをホーム画面から外す(検索やアプリ一覧からしか開けないようにする)
  • SNSからログアウトし、開くまでにひと手間かかるようにする

通知を止めても自分から確認してしまう場合は、この段階だけでは足りないサインです。

段階2:勉強中は、手の届かない場所へ移す

引き出しやポケットでは数秒で取り出せます。強度は「カバンの奥 → 別室 → ロッカー → 家族のいる部屋」の順に上がります。最低でも、視界の外で、立ち上がらないと取れない場所に置いてください。

物理的に離す主な効果は、無意識の起動を難しくすることです。時計・タイマー・辞書・目覚ましは、腕時計・キッチンタイマー・電子辞書・目覚まし時計に置き換えておくと、「確認するついでに」がなくなります。

段階3:集中モードやアプリ制限を自動化する

スマホを手元に残す必要がある場合は、OSの機能で不便にします。iPhoneなら休止時間、アプリ使用時間の制限、常に許可するアプリ、コミュニケーションの制限、スクリーンタイム・パスコード。Androidならフォーカスモード、アプリタイマー、おやすみ時間モードなどです。

ただし、上限は自分で延長できることが多く、ブラウザ版から同じサービスに入れてしまう抜け道もあります。画面を白黒にして視覚的な刺激を弱める方法もありますが、これだけで使用が大きく減るとは限りません。機能の有無は機種によって差があるため、お使いの端末で確認してください。

段階4:自分で解除してしまうなら、第三者管理を検討する

制限を毎回解除してしまう場合は、本人の合意を前提に、家族がパスコードを管理する方法があります。ここで大切なのは、罰や監視としてではなく、「自分で解除の判断をしなくて済む仕組み」として導入することです。期間・例外・解除の条件を先に決めておくと、無理が生まれません。

タイマー式のロック容器を使う方法もあります。指定した時間まで物理的に開かないため、意志に頼らずに済みます。一方で、緊急時に取り出せない製品もあり、充電中の発熱など安全性や製品ごとの差にも注意が必要です。受験生の成績を直接改善すると示した確かな研究はまだ確認されていないので、あくまで「自分で解除しないための仕組み」として考えてください。

ここまでを踏まえて、毎日の勉強開始を次の順番に固定すると、机に座ってから我慢するのではなく、スマホを片づけた状態で始められます。

  1. 勉強の終了予定時刻を紙に書く
  2. 必要な連絡を先に済ませる
  3. 次に確認する時刻を、家族や友人に伝えておく
  4. 使う教材や資料を先に準備する
  5. 集中モードや休止時間を開始する
  6. スマホを別室・ロッカー・預かり場所へ移す
  7. 腕時計か専用タイマーを机に置く
  8. 最初に解く問題を開いてから座る

通知オフ・別室・タイムロック――どの方法が誰に向くか

方法は数多くありますが、選ぶときの軸はシンプルです。とくに効くのは「衝動的に自分で解除できてしまうか(解除のしにくさ)」という視点です。解除しやすい方法は続けやすい反面、習慣が強い人には突破されます。

方法 解除のしにくさ 向いている人 弱点・失敗しやすい条件
通知を切る 低い(すぐ戻せる) 通知をきっかけに開く人 自分から確認する癖には弱い
集中モード 低〜中 学校・塾の連絡が多い現役生 毎回、自分で解除できてしまう
アプリの時間制限 使用量を把握したい/軽い使いすぎ 「延長」で実質無制限になりやすい
アプリの削除・ログアウト 問題のアプリが1〜2個に絞れる人 ブラウザ版・再インストール・別アプリへ移りやすい
ホーム画面の整理・白黒表示 アイコンや色の刺激で開く人 検索から開ける/慣れると効果が薄れる
カバン・別室に置く 中(移動が必要) 無意識に手が伸びる人 緊急連絡・タイマー・辞書が使えない
家族に預ける 高(交渉が必要) 本人が「預けたい」と思える人 一方的だと反発・隠れ使用を招く
タイムロック容器 非常に高い 2〜3時間の集中を守りたい人 緊急時に取り出せない製品も。安全性・製品差に注意
自習室・図書館へ移動 高(場所ごと変える) 自宅に誘惑が多い人 移動時間・費用・席の問題
学習用と娯楽用の端末を分ける 中〜高 電子教材を多く使う人 端末を増やすだけでは娯楽端末化する

「学習アプリだから大丈夫」とも限りません。学習アプリを開いた数分後に、SNSや動画へ移っていないか、記録で確かめてみてください。勉強でスマホを頻繁に使う人は、スマホは娯楽用として遠ざけ、電子教材はSNSやゲームを入れていないタブレットやPCに分けると、入口そのものを断てます。

よく見かける数字には注意が必要です。「机にスマホがあるだけで能力が下がる」という研究は有名ですが、その後の追試では同じ結果が再現されないこともあり、全員に大きな低下が起きると断定はできません。「一度見ると集中が戻るまで23分かかる」という数字も、職場を対象にした研究のもので、勉強中のすべての中断に当てはまるわけではありません。また「スマホ依存症」は正式な診断名として確立しているわけではなく、使用時間が長いことだけで依存と判断することもできません。数字に振り回されず、自分の記録(起動回数・引き金・戻れたか)を基準にするほうが確実です。

受験生はスマホを完全に禁止すべきか

「いっそ完全に禁止したほうが早いのでは」。受験生からも保護者からもよく上がる声で、検索でも定番の二択です。ただ、答えは人によって変わります。全面禁止が全員にとって最適とは限りません。判断の目安は次のとおりです。

短期間の強い制限が向く場合

  • 入試や模試が迫っている
  • 一度開くと長時間、勉強に戻れない
  • いまの学習にスマホがほとんど不要
  • 本人が「期間限定なら」と納得している

段階的に減らすのが向く場合

  • 学校・塾・家族との連絡が多い
  • 入試まで時間がある
  • SNSが友人関係や心理的な支えにもなっている
  • 自分で管理する力を育てたい

学校全体でスマホを禁止した英国の研究では、試験成績、とくに成績が低い層で改善が報告されています。一方で、2026年の米国の大規模な研究では、校内の使用は大きく減っても、平均的なテスト成績への影響はほぼゼロでした。結果は国・年齢・調べ方で分かれるため、「禁止すれば必ず成績が上がる」とは言えません。また、成人を対象にスマホのネット接続を一定期間止めた研究でも、最後まで守り切れた人は一部にとどまっており、完全遮断は続けること自体が難しいと分かっています。

保護者が「没収」するときの注意

事前の説明も合意もなくスマホを取り上げると、多くの場合、反発・隠れ使用・別端末の利用・親子の対立を招きます。中高生にとってスマホは、友人とのつながりや安心の場でもあるからです。取り上げる場合も、次の点を守ると衝突が減ります。

  • 成績が悪いことへの罰として取り上げない
  • 本人の合意を取る
  • 期間と返却の条件を決める
  • 緊急連絡の手段(電話など)を残す
  • 「中身を見ること」と「端末を預かること」を分けて考える

スマホを遠ざけても勉強が進まないときに見直すこと

スマホは「原因」ではなく「逃げ道」のこともあります。別室に置いても手が動かないなら、原因はスマホの外にあるかもしれません。実際、日本の調査では、子どものテレビやゲームの時間を1時間減らしても、増えた勉強時間はわずか数分だったという分析もあります。空いた時間は、自動的には勉強に変わらないのです。

指導していても、相談の入り口は「スマホをやめられない」でも、話を聞いていくと引っかかっていたのは別のところだった、というケースは少なくありません。遠ざけても手が動かないときは、次の四つのどれかが原因になっていないか、順番に確かめてみてください。

何を勉強するか決まっていない

「数学をやる」では、始める前に迷いが生まれます。「問題集38〜42番を30分」「間違えた番号に印」「15分で復習」まで具体化し、最初の一問を開いてから座ると、着手のハードルが下がります。

教材が難しすぎる

問題を開いた直後にスマホを見るなら、教材が難しすぎるサインかもしれません。例題に戻る、分からない点を3つ書き出す、15分考えて進まなければ質問する問題としてまとめる、必要なら基礎教材に下げる。難易度が原因のときは、我慢よりも教材の調整が効きます。

睡眠が足りていない

睡眠不足で注意の制御が落ちると、刺激の強いコンテンツに流れやすくなります。「早く寝なさい」より「起きる時間を固定する」ほうが立て直しやすく、寝室の外で充電する、夜間の通知を止める、といった環境の調整も合わせます。

不安や孤独からスマホを使っている

模試や志望校への不安、あるいは孤独感を紛らわせるためにスマホを使っている場合、完全に断つとかえって追い詰められることがあります。SNSが数少ない対人的なつながりになっている人もいます。完全遮断より、確認する時刻を固定し、対面で話せる環境や相談先を確保するほうが続きます。

SSS Education EXCEED YOUR POTENTIAL ABOUT SSS EDUCATION

医学部・難関大受験の戦略パートナー

努力を、合格につながる形へ。

SSS Education は、東大理三生を中心とする講師陣が、学習戦略の設計から日々の実行、振り返り、心身のコンディションまで伴走する大学受験塾です。 断片的な授業ではなく、「何を・いつ・どの順で学ぶか」と、最後まで続けられる環境を一人ひとりに合わせて整えます。

01

卓越した戦略

現在地と志望校から逆算し、教材・順序・時間配分まで具体的な行動へ落とし込みます。

02

続けられる環境

面談・日報・質問対応・自習環境を組み合わせ、計画を実行し、修正できる仕組みをつくります。

03

成長への伴走

学力だけでなく、生活習慣や不安にも向き合い、自分で学び続けられる状態を目指します。

現役生・浪人生・保護者で、対策は変わる

同じ方法が全員に合うわけではありません。生活の構造によって、効く対策が変わります。

部活動のある現役生

学習時間そのものが短いので、その時間へのスマホの侵入を防ぐことを優先します。帰宅したらすぐ、決まった場所で充電する。30〜60分の集中区間を1〜2回つくり、その間だけ別室へ。就寝前の使用を最優先で減らす。通学中に単語アプリを使うなら、他のアプリへ移れない設定にしておくと安心です。

受験学年(高3)

過去問や模試の演習中は、本番と同じ時間だけスマホを物理的に隔離します。SNSを見る時刻を1日2〜3回に固定し、就寝1時間前からは使わない。秋以降は、娯楽アプリを一時的に削除する人も少なくありません。ただし、出願情報や塾からの連絡を見落とさないよう、「いつ・どこで確認するか」を先に決めておきます。

浪人生・宅浪生

浪人生は在宅時間が長く、学校のような外からの時間割がありません。時間の制限だけでなく、場所を変えることが効いてきます。午前のうちに予備校・図書館・自習室へ移動し、スマホはロッカーやカバンの底へ。自宅では保管場所を固定し、朝の学習を始めるまでは開かない。一方で、孤独感が強いときにSNSまで完全に断つと、かえって苦しくなることがあります。連絡や交流の時刻を決めて残すほうが続きます。

保護者ができること

保護者の協力は強力ですが、関わり方を誤ると逆効果になります。有効なのは「監視して罰する」ことではなく、本人が自分では解除しないための「外の仕組み」として手伝うことです。スマホを預かる場所を用意する、本人の希望でスクリーンタイムのパスコードを管理する、緊急連絡の窓口になる、目覚まし時計や電子辞書を用意する。そして保護者自身も、食事中や勉強を見守る時間はスマホを控える。スクリーンタイムの記録は、責めるための材料ではなく、原因を一緒に探すためのデータとして使います。

本人のほうから役割を頼む形にすると、反発が起きにくくなります

「18時から21時は自分で制限を解除してしまうから、スクリーンタイムのパスコードを預かってほしい。学校からの電話と家族の連絡は使えるようにして、21時に15分だけ確認できるようにしたい」

制限は、始め方だけでなく「いつ緩めるか」も決めておきます。たとえば「平日の学習開始を2週間で5日中4日守れたら、家族管理から自己管理に戻す」といった終了条件があると、無期限の監視や親子対立を防げます。

自分だけで改善しにくいときの相談先

いくつか試しても難しいときは、抱え込まずに相談してください。相談先は、困りごとによって分かれます。

  • 学習計画・教材・自習環境の問題 ―― 学校、塾、学習支援者
  • 親子関係や強い不安 ―― スクールカウンセラーなど
  • 生活の重大な支障・自傷・強い抑うつ ―― 医療機関(下記を優先)

次のような状態が続いている場合は、スマホの制限を強めることだけで解決しようとせず、学校のカウンセラーや医療機関への相談を先に検討してください。昼夜逆転や欠席が続く、強い不安・気分の落ち込み・パニックがある、自分を傷つけたい・消えたいという気持ちがある、課金や危険なやりとりなどの深刻な問題がある、利用を止めようとしても止められず生活が立ち行かない。こうしたサインがあるときは、背景に別の困りごとが隠れていることが少なくありません。

ここまでの基準を使えば、原因はある程度まで自分でも絞り込めます。ただ、複数の原因が重なっていると、どれが主犯なのかを一度で見極めるのは、正直むずかしいところです。切り分けに行き詰まったときは、第三者と一緒に整理してみるのも一つの手です。

「スマホを遠ざけても勉強が進まない」「何を勉強すればいいか決まらない」「教材が難しすぎて逃げてしまう」。この記事の後半で挙げたような、スマホ以外に原因があるケースでは、学習計画や環境そのものを見直すほうが近道です。SSS Education では、対面・オンラインの自習室(勉強中はスマホを預かる運用があります)で学習環境を変え、来室時に「今日やること」、退室時に「できるようになったこと」を講師と確認します。あわせて、月間・週間・日次の面談で計画と進捗を管理するため、スマホ対策と学習設計をまとめて見直せます。保護者に代わって学習の管理を引き受けることで、家庭での衝突を減らすことにもつながります。

もちろん、これでスマホの使用や成績が必ず改善すると約束するものではありません。まずは記録・通知の停止・別室保管など、自分でできる対策から試してみて、複数回試しても難しい場合の選択肢として考えてみてください。

最初から完璧にスマホを断つ必要はありません。3〜7日、使い方を記録して引き金を見つける。次の勉強時間では、通知の停止か別室保管のどちらか一つを試す。効果は、総使用時間だけでなく、起動回数・課題の完了・睡眠で判断する。遠ざけても進まないなら、学習計画や心と体の状態を見直す。そして、自分や家族だけで整理しきれないときは、遠慮なく相談を使ってください。

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